オートバイの高出力エンジンなどの振動を受け続けると iPhone のカメラに影響することがある

特定の周波数範囲で振幅が大きい振動 (とりわけ、オートバイの高出力エンジンの振動) を iPhone が受け続けると、カメラシステムの性能が低下するおそれがあります。

iPhone のカメラは、日常のふとした瞬間からスタジオ撮影さながらのポートレイトまで、どんな状況でも最高の写真撮影を叶えてくれます。一部の iPhone モデルは先進のカメラシステムを搭載していて、光学式手ぶれ補正 (OIS) やクローズドループ方式のオートフォーカス (AF) など、難しい場面でも写真をきれいに撮ってくれるテクノロジーを採用しています。こうしたシステムが、動きや振動、重力の影響を相殺するよう自動で働いてくれるので、ベストショットの撮影に専念できるのです。

写真を撮るときに思わずカメラを動かしてしまうと、撮れた写真がぶれてしまう場合があります。これを防止するために、iPhone の一部のモデルは光学式手ぶれ補正 (OIS) を搭載しています1。OIS のおかげで、カメラを誤って動かしてしまっても鮮明な写真が撮れます。OIS では、ジャイロスコープがカメラの動きを感知します。像がぶれて、ぼやけた写真にならないように、ジャイロスコープの角度に応じてレンズが動きます。

また、一部のモデルの iPhone には、クローズドループ方式のオートフォーカス (AF) 機能があります2。クローズドループ AF は、重力や振動の影響を受けにくく、静止画、動画、パノラマ写真でピントを合わせて鮮明に撮影できます。クローズドループ AF では、基板上の磁気センサーが重力や振動による影響を測定してレンズの位置を判定するので、ぶれを補正する動きが正確に設定されます。

iPhone の OIS やクローズドループ AF のシステムは、耐久性を考慮して設計されています。しかし、OIS などのシステムを含め、多くの消費者向け電子機器でそうであるように、特定の周波数範囲で高振幅の振動を長時間直接受け続けると、これらのシステムの性能が低下し、写真や動画の画質の低下につながるおそれがあります。高振幅の振動を iPhone が長時間受け続ける状況は避けてください。

高出力または大排気量のオートバイのエンジンは、振幅の大きい激しい振動を生じ、シャーシやハンドルを通じて伝わります。高出力または大排気量のエンジンを搭載したオートバイは、特定の周波数範囲で振幅の大きい振動を生じるため、そうしたオートバイに iPhone を取り付けることは推奨されません。原動機付自転車やスクーター、ドローンなど、低排気量のバイクや電気エンジンを搭載したバイクに iPhone を取り付けた場合、振動の振幅は比較的小さくなる場合がありますが、iPhone 本体や OIS/AF システムの損傷のリスクを軽減するため、防振マウントやジンバルの使用をおすすめします。また、損傷のリスクをさらに回避できるよう、長期にわたる常用は控えた方がよいでしょう。

1. OIS は、iPhone 6 Plus、iPhone 6s Plus、iPhone 7 以降 (iPhone SE (第 2 および第 3 世代) を含む) に搭載されています。iPhone 11 以降の超広角カメラ、iPhone 7 Plus および iPhone 8 Plus の広角カメラは OIS を搭載していません。

2. クローズドループ AF は、iPhone XS 以降 (iPhone SE (第 2 および第 3 世代) を含む) に搭載されています。

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