SMBマルチチャネルの動作設定をする

macOS Big Sur 11.3以降では、SMBマルチチャネルがデフォルトの設定で有効になります。このデフォルト設定は、ほとんどの組織やユーザにとって申し分ない内容ですが、必要に応じてユーザが調整できます。

この記事は、ネットワーク管理者を読者として想定しています。

SMBマルチチャネルを使えば、macOSからSMBサーバに複数の接続を確立できるので、転送速度が上がり、冗長性を持たせることができます。こうした機能を使うには、サーバがSMBマルチチャネルに対応している必要があります。

冗長性を確保するには、SMBサーバへの接続が可能なネットワーク接続を複数有効にしておく必要があります。SMBマルチチャネルが有効になっていて、複数のネットワークを利用できる状況下では、macOSは、自身を最速だとアドバイタイズしているネットワークを優先的に使います。macOSで複数の接続を同時に使い、転送速度を高速化するには、それらのインターフェイスで同じ速度が有効になっている必要があります。

macOSでSMBマルチチャネルのサポートを完全に無効化するには、「/etc/nsmb.conf」ファイルに以下の行を追加します。

mc_on=no

Wi-Fiネットワークの中には、有線接続のネットワークよりも速い速度をアドバイタイズするものがあります。SMBマルチチャネルを有効にしておいて、冗長性確保のためのフェイルオーバーとしてのみWi-Fiを使い、有線接続を優先的に使いたい場合は、以下の行を「/etc/nsmb.conf」ファイルに追加します。

mc_prefer_wired=yes

「/etc/nsmb.conf」ファイルはデフォルトでは存在しません。作成し、上記の変更を両方とも適用するには、以下のターミナルコマンドを使います。

echo "[default]" | sudo tee -a /etc/nsmb.conf

echo "mc_on=no" | sudo tee -a /etc/nsmb.conf

echo "mc_prefer_wired=yes" | sudo tee -a /etc/nsmb.conf

上記の変更を元に戻すには、「/etc/nsmb.conf」ファイルを削除します。削除しても問題はありません。

アクティブなネットワークでサポートされるSMBマルチチャネルのオプションについて詳しくは、以下のターミナルコマンドを実行してください。

smbutil multichannel

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