アクセシビリティイベントについて
macOS 10.14.3およびiOS 12.3では、以前は「アクセシビリティ」設定画面にあった「アクセシビリティイベント」スイッチが「Accessibility Object Model(AOM)」コントロールの下に統合されました。
アクセシビリティイベントの用途
新しいアクセシビリティイベント機能は、Webの開発者にとって、開発したカスタムコントロールを支援テクノロジーのユーザが利用できるようにするための手段です。そうしたアクションをVoiceOverやスイッチコントロールといった支援テクノロジーを通じて、またはキーボードなどの主流の入力デバイスを使って行えるようになりました。
アクセシビリティイベントは、Accessibility Object Model (AOM)プロジェクトのサブ機能です。AOMは、新出のWebテクノロジーで、現在、W3CがApple、Google、Mozilla Foundationと共同で開発を進めています。草稿段階にあるこの標準(draft standard)には、新しいセマンティック入力イベント(カスタムスライダ用のインクリメントアクションやデクリメントアクション、カスタムダイアログを閉じるアクション、カスタムスクロールイベントのページングアクションなど)も含まれています。AOM機能は、iOSとmacOSではデフォルトで無効になっています。
アクセシビリティイベントを有効にする
アクセシビリティイベント機能は、AOM設定が有効になっている場合に限り機能します。
Macでアクセシビリティイベントを有効にするには、以下の手順を実行してください。
「Safari」>「環境設定」の順に選択します。
「詳細」をクリックし、「メニューバーに "開発" メニューを表示」を選択します。
Safariのメニューバーから、「開発」>「実験的な機能」>「Accessibility Object Model」の順に選択します。
iPhone、iPad、iPod touchでアクセシビリティイベントを有効にするには、以下の手順を実行してください。
「設定」>「Safari」>「詳細」>「Experimental Features」の順に選択します。
「Accessibility Object Model」をタップしてオンにします。
プライバシー
Appleは、アクセシビリティとプライバシーに全力で取り組んでいます。アクセシビリティイベント機能を使っても、Webサイト側が、個人がスクリーンリーダーやその他の特定の支援テクノロジーを使っているかどうかを具体的に照会したり、ユーザの能力や障がいに関する情報を提供したりできるようになるわけではありません。ただし、Webの開発者が、支援テクノロジーのアクションに対応した複雑なWebアプリケーションを開発するために、デバイス上で何らかの形で支援テクノロジーが有効になっていることを把握できる可能性はあります。しかし、ユーザがそうしたカスタムコントロールを使おうとした場合に限ります。
Appleでは、W3Cなどの標準化団体グループに積極的に関与し、プライバシーに配慮してすべての製品を開発するよう努めています。標準の進化に伴い、ユーザコントロールを用いたWeb上でのアクセシビリティ対応について評価し、最適な方法を模索していきます。