MainStage でレイテンシを小さくする方法

MainStage の詳細設定を使って、ソフトウェア音源の再生中に生じるレイテンシ (遅延) を最小限にとどめる方法をご案内します。

MainStage でソフトウェア音源を再生する際に、音を実際に再生してから、スピーカーやヘッドフォンからその音が聞こえてくるまでの間に、若干の遅れが生じることがあります。この遅れをレイテンシといい、Mac の内部で行われるバッファリングが原因です。

MainStage で最適なレイテンシ設定をすばやく行う方法を以下に紹介します。

  1. MainStage で、レイテンシが一番大きいパッチやコンサートを読み込みます。

  2. 「MainStage」>「環境設定」の順に選択し、「オーディオ」を選択して、「詳細設定」をクリックします。

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  3. 「I/O バッファサイズ」ポップアップメニューをクリックし、選択肢の中から一番小さい数値を選びます。

  4. ノートをいくつか再生します。音飛びや音が途切れるなど、好ましくないオーディオアーチファクトが生じる場合は、 1 段階大きい設定にし、オーディオの不具合が聞こえなくなるまで設定を変更していきます。

  5. 「I/O バッファサイズ」をオーディオに不具合が生じない範囲で一番低く設定しても、レイテンシが大きすぎて快適に演奏できない場合は、1 段上の I/O バッファサイズを選択してから、「I/O セーフティバッファ」をオンにします。

  6. 最適なバッファ設定を決定したら、「ドライバのレイテンシ」スライダを小さくしてみて、システムの全体のレイテンシをさらに小さくします。

MainStage の詳細オーディオ設定

ここでは、MainStage の詳細環境設定のうち、レイテンシに影響するものを詳しく取り上げます。

I/O バッファサイズ

オーディオチャンネルストリップの場合、「I/O バッファサイズ」によって入力バッファと出力バッファの両方のサイズが設定されます。ソフトウェア音源チャンネルストリップの場合は、オーディオ入力がないため、出力バッファサイズのみが設定されます。バッファサイズは 16 ~ 1024 サンプルの間で設定できます。

「I/O バッファサイズ」の設定を変更すると、「レイテンシ」見出しの「ラウンドトリップ」(ミリ秒表示) が変わるので、入力レイテンシと出力レイテンシの総量への影響がわかります。出力レイテンシも括弧内に表示されます。ソフトウェア音源の場合、出力レイテンシは重要な数値です。

「 I/O バッファサイズ」を低くするとレイテンシは小さくなりますが、多数のプラグインやチャンネルストリップを同時に使っている場合は特に、オーディオに不具合が生じやすくなります。レイテンシは小さく抑えたいものの、一方でオーディオに不具合が生じてしまう場合は、同時に使うプラグインやチャンネルストリップの数を少なくしてみてください。

I/O セーフティバッファ

「I/O セーフティバッファ」をオンにすると、予期しない CPU スパイクによるオーバーロードから保護するため、出力バッファが追加されます。このバッファのサイズは、「I/O バッファサイズ」設定と同じですが、影響を受けるのは出力バッファのみです。

たとえば、「I/O バッファサイズ」を 256 サンプルにするとレイテンシが大きすぎる一方で、「I/O バッファサイズ」を 128 サンプルにするとオーディオに不具合が生じる場合は、「I/O バッファサイズ」を 128 サンプルにして、「I/O セーフティバッファ」をオンにしてみてください。セーフティバッファを使わずにバッファサイズを 128 サンプルにした場合よりもレイテンシはいくらか大きくなりますが、セーフティバッファを使わずにバッファサイズを 256 サンプルにした場合よりレイテンシは小さくなります。

「ドライバのレイテンシ」スライダ

「ドライバのレイテンシ」スライダは、Core Audio ドライバのレイテンシに影響します。Core Audio ドライバは、Mac のヘッドフォン出力や外部オーディオインターフェイスなどのオーディオ出力に信号を受け渡します。このスライダはデフォルトでは最大許容値、すなわちその時点の「I/O バッファサイズ」と同じ値に設定されます。スライダを左に動かすとドライバのレイテンシが下がり、全体のラウンドトリップレイテンシも下がります。

I/O バッファサイズと同様、「ドライバのレイテンシ」設定を下げると、オーディオに不具合が生じる可能性があります。特定のシステムで設定できる最小の値は主にオーディオドライバで決まります。「ドライバのレイテンシ」設定は、実行できるプラグインやチャンネルストリップの数には影響を及ぼしません。

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