macOS Sierra のテザリングキャッシュについて
教育機関や企業の管理者なら、多数の iOS デバイスの設定が必要になる場面があるでしょう。テザリングキャッシュを利用して、接続先の iOS デバイスへのダウンロード所要時間を短縮する方法について説明します。
macOS High Sierra では、テザリングキャッシュを「コンテンツキャッシュ」として利用できるようになりました。「システム環境設定」>「共有」で設定できます。macOS High Sierra のコンテンツキャッシュについて詳しくは、こちらの記事を参照してください。
Mac に接続している iPhone、iPad、iPod touch でインターネットからキャッシュ可能なコンテンツをダウンロードすると、そのコンテンツのコピーが Mac に保存されます。Mac に接続された iOS デバイスが同じコンテンツを次回ダウンロードしようとした際は、USB 経由で Mac から直接ダウンロードされるようになります。これを「テザリングキャッシュ」と呼びます。
テザリングキャッシュの使用条件を確認する
テザリングキャッシュを利用するには、以下の環境が必要です。
iOS 10.3 以降を搭載した iPhone、iPad、iPod touch。
macOS Sierra を搭載し、iTunes 12.6 以降または Xcode 8.3 以降がインストールされた Mac。
複数の iOS デバイスを Mac に同時に接続する場合は、USB ハブも必要です。
テザリングキャッシュを設定する
Mac がノートブックの場合は、電源アダプタに接続します。
Mac に管理者ユーザとしてログインします。
Mac を Ethernet ケーブルでインターネットに接続します。
Finder で「アプリケーション」をクリックします。
「ユーティリティ」フォルダからターミナルを開きます。
ターミナルに以下のコマンドを入力するかペーストし、「return」キーを押すと、テザリングキャッシュサービスが開始します。
sudo tethered-caching
iOS デバイスを USB で Mac に接続します。
iOS デバイスで、キャッシュ可能なコンテンツ (ソフトウェアアップデートなど) をダウンロードします*。ダウンロードが終わったら、デバイスの接続を安全に取り外すことができます。
すべてのデバイスについて、手順 7 と 8 を繰り返します。USB ハブをお使いの場合は、お使いのすべてのデバイスで同時にキャッシュ可能なコンテンツをダウンロードできます。ダウンロードを開始すると、デバイスは Ethernet ケーブルでつながれた Mac から直接データを入手します。
tethered-caching(8)
コマンドに関する詳細情報は、macOS 10.12.4 以降を搭載した Mac でターミナルを開いて、man tethered-caching
コマンドを実行して調べてください。
* 手順 8 で手動でダウンロードを開始する代わりに、モバイルデバイス管理 (MDM) ソリューションを使って、キャッシュ可能なソフトウェアを接続先の iOS デバイスにインストールすることができます。複数の iOS デバイスが Mac に USB で接続されている場合、それらのデバイスでネットワークを共有し、MDM コマンドを受信します。