Xsan 構成プロファイルについて
経験豊富な SAN 管理者の方なら、構成プロファイルのペイロードにキーを設定して、Xsan クライアントを構成し、Xsan ボリュームの所定のマウント動作を制御することができます。
SAN クライアントの構成方法については、こちらを参照してください。
Xsan ペイロード
Xsan ペイロードでは、Xsan クライアントシステムを構成します。Xsan ペイロードを指定するには、PayloadType 値として「com.apple.xsan」を設定します。このペイロードは、OS X Yosemite および OS X El Capitan 以降でサポートされています。
キー | 種類 | 値 |
---|---|---|
sanName | 文字列 | SAN の名前。このキーは、すべての Xsan SAN で必須です。Server App で定義されている SAN の名前とまったく同じ名前を指定する必要があります。 |
sanConfigURLs | 文字列配列 | この配列内の各文字列には、Xsan システムが SAN 構成のアップデートを取得できる LDAP URL を指定します。このキーは、すべての Xsan SAN で必須です。各 Xsan MDC につき 1 つずつエントリが必要です。 URL の例:ldaps://mdc1.example.com:389 |
fsnameservers | 文字列配列 | この配列には、SAN のファイルシステムネームサーバコーディネータごとに 1 つずつ文字列値が入ります。このキーは、StorNext SAN で必須です。リストには、MDC の「/ライブラリ/Preferences/Xsan/fsnameservers」ファイルと同じ順序で同じアドレスを指定します。 Xsan SAN クライアントは、fsnameservers のリストが変更されると常に SAN 構成サーバから変更点を自動的に受信します。StorNext の管理者は、fsnameservers リストが変更されるたびにプロファイルを更新する必要があります。 |
sanAuthMethod | 文字列 | SAN の認証方式を指定します。このキーは、すべての Xsan SAN で必須です。このキーは、StorNext SAN の場合はオプションですが、StorNext SAN で「auth_secret」ファイルをお使いの場合は設定する必要があります。指定できる値は次の 1 つだけです。 auth_secret |
sharedSecret | 文字列 | Xsan のネットワーク認証に使う共有シークレット。このキーは、sanAuthMethod キーが指定されている場合は必須です。この文字列値は、MDC の「/ライブラリ/Preferences/Xsan/.auth_secret」ファイルのコンテンツと同じ値にします。 |
メモ:
Xsan MDC を構成する目的では Xsan ペイロードを作成しないでください。Xsan MDC の構成には Server App を使います。
Mac には Xsan ペイロードを 1 つだけインストールできます。
Xsan Preferences ペイロード
Xsan Preferences ペイロードを使って、起動時にどのボリュームを自動的にマウントするかを指定できます。StorNext ボリュームの場合、このペイロードでマウント時に Fibre Channel を使うか DLC (Distributed LAN Client) を使うかも指定されます。Xsan Preferences ペイロードを指定するには、PayloadType 値として「com.apple.xsan.preferences」を設定します。このペイロードは、OS X El Capitan 以降でサポートされています。
キー | 種類 | 値 |
---|---|---|
onlyMount | 文字列配列 | この配列内の各文字列は、Xsan または StorNext のボリューム名です。このキーが指定されている場合、Xsan クライアントは起動時に該当するボリュームを自動的にマウントしようとします。このリストに表示されていないボリュームは、システム管理者が xsanctl(8) の mount コマンドを使って手動でマウントできます。 |
denyMount | 文字列配列 | この配列内の各文字列は、Xsan または StorNext のボリューム名です。このキーが指定されていて onlyMount 配列が未指定の場合、Xsan クライアントはこの配列に指定されたボリュームを除くすべての SAN ボリュームを自動的にマウントしようとします。この配列内のボリュームは、システム管理者が xsanctl(8) の mount コマンドを使って手動でマウントできます。 |
denyDLC | 文字列配列 | この配列内の各文字列は、StorNext ボリューム名です。このキーが指定されている場合、Xsan クライアントはこの配列内のボリュームをマウントしようとします。LUN に Fibre Channel 接続でアクセス可能なボリュームだけがマウントされます。該当のボリュームを DLC (Distributed LAN Client) を使ってマウントしようとはしません。 |
preferDLC | 文字列配列 | この配列内の各文字列は、StorNext ボリューム名です。このキーが指定されている場合、Xsan クライアントはこの配列内のボリュームを DLC (Distributed LAN Client) を使ってマウントしようとします。DLC が利用できない場合、LUN に Fibre Channel 接続でアクセス可能であればボリュームのマウントを試みます。このしくみは、該当のボリューム名が denyDLC にも指定されていると機能しません。 |
useDLC | 論理値 | このキーが指定されている場合は、denyDLC 配列 (指定されている場合) または preferDLC 配列 (指定されている場合) に指定されていないすべてのボリュームに対して、DLC (Distributed LAN Client) を使うかどうかがその値で制御されます。このキーが未指定の場合、Fibre Channel インターフェイスが不在のときは、すべての StorNext ボリュームのマウント時に DLC が使われるようになります。 |
Xsan Preferences ペイロードのキーは、構成プロファイルを使う代わりに、「/ライブラリ/Preferences/com.apple.xsan」環境設定ドメインに defaults(1) を使って書き込むこともできます。たとえば、「shared-EX0123456789ab」という名前の StorNext ボリュームが DLC (Distributed LAN Client) を使ってマウントされないようにする場合は、次のコマンドを使います。
sudo defaults write /Library/Preferences/com.apple.xsan.plist denyDLC '(shared-EX0123456789ab)'
Mac には複数の Xsan Preferences ペイロードをインストールできますが、別々のペイロードで同じキーを設定することは避けてください。複数のペイロードに同じキーが定義されていると、定義されていない挙動を招く場合があります。
Xsan ファイルシステムのマウント時には、LUN をクライアントが認識できる場合は、そのクライアントが DLC を使ってボリュームをマウントする設定になっていても、LUN への接続には常に Fibre Channel が使われます。LUN に Fibre Channel でアクセス可能なときに、DLC を使うようにマウントオプションを設定すると、Xsan はマウント時に Distributed LAN クライアント/サーバへの接続を開始しますが、この接続はすぐに切断されます。この挙動に大量のクライアントがかかわっている場合、サーバからクライアントへのサービス提供力の低下という形で影響することがあります。