Mac OS X Server v10.6:メールサーバのアップグレードと移行

Mac OS X Server v10.6 でのメールサーバのアップグレードと移行について説明します。

Mac OS X Server v10.4 および v10.5 から Mac OS X Server v10.6 にアップグレードまたは移行する際に、メールサーバの設定およびデータの中には自動的に保存されないものがあります。これらの設定を保存または再作成できるように、この記事に記載されている手順を読んでから、メールサーバのアップグレードまたは移行を行ってください。

重要:アップグレードと移行に関する管理ガイド の手順に従ってください。以下に紹介する内容は、このガイドの指示に代わるものでなく、補足説明にすぎません。

メールクオータ

重要:Mac OS X Server v10.6.3 以降のバージョンを収録した Mac OS X Server インストール DVD を使ってアップグレードする場合、このセクションの手順を実行する必要はありません。必要に応じて、以降の各セクション (「リアルタイムブラックリスト」および「Web メール」) を参照してください。

Mac OS X Server v10.6 へのアップグレードに際して、カスタムクオータメッセージは維持されません。カスタムクオータメッセージを保存しておくには、次のファイルをバックアップします。

  • /etc/mail/quota_exceeded.txt

  • /etc/mail/quota_warning.txt

インストールが完了したら、これらのファイルをコピーして /etc/mail に戻し、カスタムクオータメッセージを復元します。

また、「サーバ管理」を使ってメッセージを作成し直すこともできます。

  1. 「サーバ管理」の「サーバ」リストからコンピュータを選択し、次に「メール」を選択します。

  2. 「設定」をクリックします。

  3. 「クオータ」タブをクリックします。

  4. 「クオータの警告を有効にする」を選択します。

  5. クオータの警告メッセージを編集し、メッセージをカスタマイズします。

  6. 「保存」をクリックします。

リアルタイムブラックリスト

Mac OS X Server v10.5 でリアルタイムブラックリスト (RBL) のサポートを有効にしていたが Mac OS X Server v10.6 へのアップグレード前に無効にした場合、smtpd_client_restrictions の値が正しく設定できていない可能性があります。smtpd_client_restrictions の値を確認するには、「ターミナル」で postconf ツールを使います。

sudo postconf smtpd_client_restrictions

次の値と似た値が返される場合があります。

smtpd_client_restrictions = permit_mynetworks my.rbl.host.com permit

その場合は、postconf ツールを使って、RBL ホスト名の前に reject_rbl_client を追加して値を修正します。

sudo postconf -e smtpd_client_restrictions='permit_mynetworks reject_rbl_client my.rbl.host.com permit'

メールサーバの稼働中にこの変更を行う場合は、新しい設定が適用されるように、次のコマンドを使って Postfix を読み込み直す必要があります。

sudo postfix reload

Web メール

アップグレードしても Web メールサービスに関する以下の 3 つのディレクトリは保存されます。

  • /usr/share/squirrelmail/plugins/

  • /usr/share/squirrelmail/themes/

  • /etc/squirrelmail/config/

/usr/share/squirrelmail/ 以下にある images などのほかのすべてのディレクトリは、OS X Server v10.6 へのアップグレード前に必ずバックアップしてください。

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