Final Cut Pro:ハードディスクを選択する

  • 最終更新日: 09 12月, 2008
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概要

コンピュータのオペレーティングシステムが格納されているディスクは、起動ディスクまたはブートディスクと呼ばれます。起動ディスクには、オペレーティングシステム以外に、アプリケーション (たとえば Final Cut Pro)、アプリケーション環境設定、システム設定、書類が保管されています。起動ディスク上のファイルは最も大切なデータなので、起動ディスクを維持することはきわめて重要です。

デジタルメディア (特にデータレートが高いビデオ) の作業は、ディスクに多くの負担をかけるため、デジタルビデオ (DV) やその他のメディアファイルの取り込み、再生を行う場合は、専用のディスクを使用する必要があります。メディアディスクはより長時間にわたって駆使される記憶装置として、一方で起動ディスクはシステムを適切に管理するものとして捉えることができます。ディスク障害に備え、大切なデータは、交換可能なメディアファイルとは別にしておく方が望ましいです。

お使いのコンピュータの種類に応じて、内部ハードディスクまたは外部ハードディスクを使ってメディアファイルを保管できます。それぞれに、長所と短所があります。

対象製品

Final Cut Pro

内部ディスク

  • 外部ケースがなく、独自の電源が必要ないため、より経済的です。
  • コンピュータの内部に設置されるため、ノイズが低減されます。
  • コンピュータの拡張能力によって制限を受け、ディスクの熱で温度が上昇します。

外部ディスク

  • コンピュータに接続するディスクを切り替えることで、簡単にプロジェクトを切り替えられます。
  • プロジェクトを別の場所にあるコンピュータシステムに手早く移動できます。
  • 外部ケースと電源が必要であるため、コストが高くなる場合があります。
  • ノイズが発生する場合があります。

ハードドライブのタイプ

複数のディスクドライブテクノロジーが選択可能です。取り込むビデオのフォーマットとデータレートに応じて、ニーズに合ったハードドライブのタイプが決まります。それぞれのディスクドライブテクノロジーには、長所と短所があります。現在、主に次のテクノロジーを選択できます。

  • ATA
  • FireWire
  • SCSI
  • RAID および Fibre Channel

ATA ディスクドライブ

ATA ディスクには、次の 2 種類があります。

  • パラレル (Ultra) ATA ディスク:Power Mac G4 コンピュータに搭載されています。
  • シリアル ATA ディスク:Mac Pro および Power Mac G5 コンピュータに搭載されています。

ATA ディスクは、LVD ディスクまたは Ultra160 SCSI ディスクと同レベルのパフォーマンスを提供できません。Ultra ATA ディスクを使用する予定がある場合は、次の点を確認してください。

  • 連続転送速度が 8 MB/秒である。または、それ以上である。
  • 平均シーク時間が 9ミリ秒未満である。
  • スピンドル速度が少なくとも 5400 rpm である。ただし、7200 rpm の方がよいです。

パラレル (Ultra) ATA ディスク

多くの編集者が、DV 装置と共にパラレル ATA (PATA) ディスク (Ultra DMA、Ultra EIDE、および ATA-33/66/100/133 とも呼ばれます) を使用しています。パラレル ATA ディスクは、内部に取り付けるディスクです。読み込み対象の DV 素材は、約 3.6 MB/秒の固定データレートを持つため、通常、高性能なパラレル ATA ディスクならばストリームの取り込みおよび出力を容易に実行できます。ATA という表記の後に記載されている数字は、ディスクドライブ自体ではなく、その ATA インターフェイスの最大データ転送速度を示しています。たとえば、ATA-100インターフェイスは、論理的には 100 MB/秒を処理できます。ただし、ほとんどのディスクドライブは、この上限に達するのに十分なほど高速に回転しません。

パラレル ATA ディスクは、40 ピンまたは 80 ピンの幅広ケーブルを使用することで複数のデータビットを同時 (パラレル) に転送するため、ケーブル長が18インチという制限があります。また、5ボルトの電源が必要です。コンピュータによって、マザーボード上には 1 つまたは複数のパラレル ATA (または IDE) コントローラチップが搭載されています。コンピュータのマザーボード上の各パラレル ATA チャンネルは、2 チャンネルに対応しているため、2台のディスクドライブを接続できます。ただし、両方のディスクドライブが接続されている場合は、接続のデータ帯域が共有されるため、データレートは低くなる可能性があります。

シリアル ATA ディスク

シリアル ATA (SATA) ディスクは、パラレル ATA ディスクドライブよりも新しいテクノロジーです。ディスクドライブのメカニズムは似ているかもしれませんが、インターフェイスは大幅に異なります。シリアル ATA インターフェイスには、次の特性があります。

  • シリアルデータ転送 (一度に 1 ビットずつ転送)
  • 150 MB/秒論理データスループットの上限
  • 7 ピンのデータ接続 (ケーブル長の制限は 1 m)
  • 250 mV で稼働
  • コンピュータのマザーボード上の各シリアル ATA コントローラチップに対して許可されるディスクドライブの数は 1 台のみであるため、ディスクドライブはデータ帯域幅を共有する必要がありません。

FireWire ディスクドライブ

すべてのシステムで推奨されるわけではありませんが、FireWire ディスクドライブは、たとえば DV コーデックを使って取り込まれたビデオクリップなど、低いデータレートのビデオクリップが使われるプロジェクトを取り込んで編集する上で効率的に使用できます。ただし、ほとんどの FireWire ディスクドライブには、内部 Ultra ATA ディスクドライブや内部/外部 SCSI ディスクドライブが提供するパフォーマンスが不足しています。たとえば、FireWire ディスクドライブは、内部 Ultra ATA ディスクドライブで可能な同時オーディオトラック数とビデオトラック数でのリアルタイム再生をサポートできない場合があります。これは、再生可能な同時リアルタイムエフェクトの数にも影響します。

FireWire ドライブについては、次の点に考慮してください。

  • 非圧縮の SD ビデオや HD ビデオなど、データレートが高い素材を取り込む場合には、FireWire ディスクドライブは推奨されません。
  • FireWire ディスクドライブがコンピュータに接続されているときに、同時にはコンピュータに接続できない DV カムコーダがいくつかあります。ほとんどの場合、別に FireWire PCI カードを取り付けて FireWireドライブを接続することで、パフォーマンスを改善できます。
  • また、「ユーザ環境設定」ウインドウの「一般」タブで、リアルタイムビデオ再生のデータレートおよびリアルタイムオーディオトラック数の値を低くすることで、パフォーマンスを改善できる場合があります。
  • Finder で FireWire ディスクドライブのマウントを解除する前に、接続を解除しないでください。

SCSI ディスクドライブ

SCSI (Small Computer Systems Interface) ディスクドライブは、利用できるドライブの中では最速です。SCSI テクノロジーは、長年にわたってさまざまな方法で実装されてきており、世代が変わるたびにより高いパフォーマンスを実現しています。ビデオの取り込みおよび再生に使える、現時点で最も高速な 2 つの SCSI 標準は、次のとおりです。

  • Ultra2 LVD (Low Voltage Differential) SCSI:Ultra2 LVD SCSI ディスクドライブは、単一ディスクが単一ボリュームとしてフォーマットされている場合 (複数のディスクがディスクアレイとして統合されている場合とは逆)、高いデータレートでビデオを取り込み、出力するのに十分な高いパフォーマンスを発揮します。
  • Ultra320 および Ultra160 SCSI:Ultra2 LVD SCSI ディスクよりさらに高速です。

SCSI ディスクは、内部に設置するか、外部接続が可能です。 外部 SCSI ディスクドライブは、移動が簡単で、熱がこもらないため、多くのユーザは外部 SCSI ディスクドライブを選択しています。コンピュータに Ultra2 LVD、Ultra160、または Ultra320 SCSI ディスクドライブが前もって搭載されていない場合は、PCI スロットに SCSI カードを取り付けて、SCSI ディスクドライブを外部接続できるようにする必要があります。

SCSI カードを使用すれば、15 台までの SCSI ディスクドライブをデイジーチェーン接続できます。デイジーチェーン接続では、各ディスクドライブが 1 台ずつ順番に接続され、最後が終端処理されます。(複数チャンネルをサポートする SCSI カードもあります。マルチチャンネルカードは、チャンネルあたり 15 の SCSI ディスクをサポートしています。)データエラーを防ぐために、高品質なシールドケーブルを使用してください。これらのケーブルはできるだけ短くする必要があります (3 フィート[約 92 cm] 未満)。ケーブルが長くなるほど、問題が生じやすくなります。信頼性の高いパフォーマンスを確保するために、最後のディスクには必ずアクティブターミネータを使ってください。

注意:アクティブターミネータには、SCSI チェーンに電源が入った時点で点灯するインジケータライトがあります。

SCSI チェーンのすべての装置が、最も低速な装置の速度で稼働します。高いレベルのパフォーマンスを達成するには、お使いの SCSI インターフェイスカードに Ultra2 またはより高速な SCSI ディスクドライブだけを接続してください。そうでない場合、パフォーマンスが低下して、取り込みまたは再生の最中にフレームがドロップする可能性があります。

注意:スキャナおよびリムーバブルストレージメディアなど、多くの種類の SCSI デバイスは、Ultra2 デバイスに比べると低速です。 このようなデバイスは、お使いの高性能 SCSI インターフェイスには接続しないでください。

RAID またはディスクアレイの使用

複数のディスクドライブによってディスクアレイを構成することにより、個々のディスクの転送速度を向上させることができます。RAID では、複数の SCSI、ATA、または FireWire ディスクドライブを、ハードウェアまたはソフトウェアによってグループ化し、単一のデータストレージユニットとして扱うことができます。これにより、複数のドライブに並行してデータを記録できるようになり、アクセスタイムが大幅に向上します。また、アレイのパーティションを作成して、複数のボリュームに分けることもできます。

ディスクアレイは、フレームをドロップさせることなく、必要なデータレートでビデオを取り込んで再生するためのハイパフォーマンスが必要となる場合にのみ作成してください。

信頼性の高いデータ保全が必要な場合は、RAID の購入を検討してください。ほとんどの RAID では、同じデータが複数のディスクに記録されるため、万が一ドライブが機能しなくなった場合も、別のディスクにある同じデータを回復できます。多くの RAID レベルが利用可能ですが、デジタルビデオの取り込みとデータ冗長性の両方についてハイパフォーマンスを実現するのは、RAID レベル 3 です。RAID レベル 3 では特殊なハードウェアが使用されるため、RAID レベル 3 のシステム価格は相対的に高くなる可能性があります。しかし、ディスクのコストよりメディアの安全性が重視される場合は、検討する必要があります。

ディスクアレイを作成または購入する場合の重要な考慮事項は、次の 2 つです。

  • 互換性:アレイの作成に使用するソフトウェアが Final Cut Pro と互換性があることを確認してください。詳細については、Final Cut Pro の Web サイト (www.apple.com/jp/finalcutstudio/finalcutpro) にアクセスしてください。
  • 通気:市販のドライブ筐体を使って自分でアレイを作成するときは、十分な通気を確保してください。ディスクアレイでは、情報が複数のディスクに並行して保管されます。ディスクドライブの 1 つに障害があった場合は、すべてのディスクの情報が失われます。ディスクドライブが故障する最もよくある原因の 1 つが過熱です。そのため、ディスクの温度が上がらないようにする必要があります。

重要:ディスクの購入前に、メーカーの技術仕様を確認して、ディスクが必要なパフォーマンスレベルを提供するか確認してください。

Fibre Channel ドライブアレイおよび RAID

Fibre Channel は、主に大容量ストレージシステムの高速なデータスループットを実現するために設計されたハードドライブインターフェイステクノロジーであり、通常、ディスクアレイまたは RAID として設定されます。Fibre Channel ディスクドライブシステムには、通常、高性能な SCSI ディスクアレイと同じか、それを上回るパフォーマンスがあります。

ビデオの取り込みと出力のために、コンピュータを Fibre Channel ディスクドライブシステムに接続する最も一般的な方法の 1 つが、ポイントツーポイント接続と呼ばれるものです。Fibre Channel PCI カードが搭載された 1 台のコンピュータを、単一の Fibre Channel ディスクドライブアレイに接続します。SCSI システムとは異なり、Fibre Channel ケーブルはきわめて長い距離で通信できます。銅線ケーブルを使用する場合は最大 30 m、光ケーブルの場合は最大 10 km (6マイル) が可能です。

そのあらゆる利点にかかわらず、Fibre Channel ディスクアレイは、前述したほかのストレージオプションに比べて多くの設定が必要になります。そのため、ポータブルでの利用には適しません。Fibre Channel ディスクアレイは、通常きわめて大容量です (場合によっては、ディスクストレージが数テラバイトになります)。このことにより、Fibre Channel ディスクアレイの価格はほかのストレージソリューションに比べて高くなる場合がありますが、メガバイト単位では一般的にはるかに低コストです。

ストレージエリアネットワーク

Apple Xsan システムなどのストレージエリアネットワーク (SAN) は、単一または複数のディスクアレイから構成され、複数のコンピュータシステムから同時に使用できます。放送局やポストプロダクションの施設は、Xsan システムを使用して、複数の編集システム間で単一セットのメディアファイルを共有できます。

Xsan ソフトウェアを使用すれば、各編集システムの SAN アクセス権限を制御できます。たとえば、編集の取り込み用ステーションには、SAN への読み込み/書き込みアクセス権を付与し、アシスタント編集者用のステーションには、特定のプロジェクトのメディアファイルへの読み込みアクセス権のみを付与できます。また、アクセス権を制御して、編集者が特定のフォルダの素材だけを取り込めるようにすることもできます。

Xsan の利点は、次のとおりです。

  • 複数の編集システムからメディアファイルに即座にアクセスできます。
  • 必要に応じて、ストレージ容量と帯域幅を拡張できます。
  • 編集者は、メディアファイルを移動することなく、編集スイート間を移動して、同じプロジェクトの作業を継続できます。
  • アシスタント編集者は、進行中の編集セッションを妨げることなく、メディアの読み込み、出力、アーカイブを実行できます。
  • プロデューサーは、編集スイートでなくても、編集用の下見フィルムまたは完成したシーケンスを表示して承認を行うことができます。

追加情報

Xsan の詳細については、www.apple.com/jp/xsan/ にアクセスしてく さい。

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